動物の個体数について
最近シカやイノシシの増えすぎが問題となっている。
増えた理由としてはやはりオオカミの絶滅が挙げられる。
天敵がいない彼らが増えるのは当然の摂理である。
有害駆除が盛んになってきており捕獲数は上がる一方だがシカの個体数は依然として増える一方だ。近年では猟期中の自由狩猟にさえ報奨金が出るまでになっている。
猟師の高齢化に伴う減少もあり、動物を狩猟するのではなく駆除するといった動きがこれからどんどん増えてしまうのは当然のことだが悲しい。
動物の増え方で最もポピュラーなものに、ネズミ算というのがある。
正月にねずみ、父母いでて、子を十二ひきうむ、親ともに十四ひきに成也。此ねずみ二月には子も又子を十二匹ずつうむゆえに、親ともに九十八ひきに成。かくのごとく、月に一度ずつ、親も子も、まごもひこも月々に十二ひきずつうむとき、十二月の間になにほどに成ぞといふときに、二百七十六億八千二百五十七万四千四百二ひき。 - 塵劫記より
要約すると、ネズミはひと月あたり12匹産むと仮定して
1月には親が子を産むので2+12=14匹となる
2月はつがいが7組できるので14+7×12=98匹となる
これは初項2、公比7の等比数列になっており
12月には2×713-1 = 27 682 574 402匹に増える。
ただしこれは死亡数や個体が一定距離離れて生息することが必要なことを考慮していない。
個体数全体(個体群)をNとするとΔNは個体群の変位を表す。
単位時間あたりに生まれる数をB、死亡する数をDとすると
ΔN / Δt = B - D が成り立つ。
出生率b、死亡率dを用いて
ΔN / Δt = bN - dN と表現することもできる。
ここで増加率(b - d) = r とおいて簡単にすると
ΔN / Δt = rN
となる。しかし同じ場所で増え続けることは食糧や巣造りに適した場所などの資源的な観点から不可能であり、環境の収容力Kを導入する必要がある。
dN/dt=rN(1-N/K)
これをロジスティック方程式という。
これで何が嬉しいのかというと、動物を絶滅させないようにするための捕獲数の限度を考えることができる。漁業の分野では漁獲量と自然増加量が一致するとき資源は一定に保たれるので、このときの漁獲量を持続生産量と呼び、可能な持続生産量の中でも最大のものを最大持続走生産量(MSY)と呼び、漁獲基準の一つの目安としているようだ。
rを変動させてグラフを出したかったけど今プロットできる環境がないのでまた今度やる。
【参考】
http://www.b.s.osakafu-u.ac.jp/~tnamba/HokusetsuSanda2004.pdf