紅ショウガのパラダイムシフト
Aが「炒飯には紅ショウガが欠かせない、下宿に常備している」と言う。
私は「それちょっと異常じゃない?紅ショウガって普通買わないでしょう?」と小馬鹿にしたようにBに同意を求めた。
しかしBは「そんな言わんでも…」という顔をしたので、私はバツが悪くなりすぐ別の話題に移ったのだった。
それから程なくして帰省した際、夕飯を用意する母がスーパーのお惣菜の揚げ出し豆腐から紅ショウガを取り除いているのを見た。
「もしかして紅ショウガ嫌いなの?」と聞くと母は「うん、嫌い」とのこと。
こうして紅ショウガを一般家庭では買わないと思っていた私は、母が嫌いだから買ってこなかっただけという事実に気づき、私の価値観が異常であることに気づいたのである。
これが、紅ショウガのパラダイムシフトである。